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D Gray-Man第1巻 - (仮想19世紀末論 第1回)

D.Gray-man 1 (1)
星野 桂 / 集英社
スコア選択: ★★★★

巷では,鋼の○金術士もどきだのと噂されている週刊ジャンプの新連載『D Gray-Man』.おそらくジャンプ的には旬なネタを放り込んできたであろうことは予測できるのですが,それを補って余るくらいのアートの繊細さが気に入っている作品でございます.
で,先日ついに単行本1巻が発売.早速購入してきましたが,ジャンプで読むよりも数倍読みやすいので,連載の絵が紙質の所為で読みづらいから・・・と回避してしまっている人は,その辺で適当に読んでおいてください.この漫画は,白い背景で読んでこそ価値があるはずです.線が細く,独特のタッチなので藤崎竜と同じくジャンプには向いていないなぁ・・・と思った次第.

今回は,1巻発売記念として,愛情の裏返しとしてツッコミを入れていこうと思います.



さて,読んだことのない人のために,まずは適当にあらすじを紹介しておきましょう.時代は『仮想19世紀末』.主人公『アレン=ウォーカー』は右手に対悪魔武器を宿すエクソシスト.この作品内でいう悪魔とはAKUMA(=悪魔創造者によって作られる機械仕掛けの兵器)のことを指し,それに対抗できる力を持った聖職者がエクソシストなのだそうです.そして,この時代に蘇った悪魔創造者『千年伯爵』の計画を阻止するために戦う・・・というのが第1話で語られる基本プロットです.
・・・とりあえず,ここまででもツッコミを入れたい部分は山ほどあります.・・・ありますが,ツッコムのはAKUMAというネーミングだけにしておきましょう.とりあえず,今後どのような単語の頭文字をつなげてAKUMAとしたのか解説が入る可能性はありますが,AKUMAってどう読んでも日本語ですよね?仮想19世紀末の欧州では日本語が公用語なのでしょうか?ちなみにアレン君は英国人です.
・・・いや,そうですよね.この世界は何でも許されますよね.だって仮想19世紀末ですから.でも,せめてDEMONくらいでもよかったのじゃないでしょうか?と、言いつつも,千年伯爵っていう古風なネーミングがマッチしているこの作品なのだから日本語でもいいのかなぁ,と毒されかけている私.

そして,彼の登場となる第1話では,まずはAKUMAと千年伯爵の存在,そしてそれに対するエクソシストの設定を綺麗にまとめてくれているので構成力の良さが感じられます.演出も雰囲気があって,連載デビュー作とは思えないくらいです.
ただ,いかんせんキャラの使い方にもったいなさを感じるのは私だけでしょうか?例えば最初のシーンから登場する警官チャールズなんかは,なかなかいいキャラを出していて印象に残ります.「このエピソードの悪役は実はこいつってオチかな?」なんて考えてしまったくらいです.チープな作品だったら,そうしてくれても不思議ではありません.しかし彼,ほとんど出番のないまま死んじゃいました.
その他にも,猫やら警部やら,なかなか味のあるキャラがいながらも,ほとんど使われることなく死亡.第1話からやってくれます.きっと,話を膨らませるために用意したキャラが活かせなかったんじゃないかと邪推してしまったくらいです.しかし,結局のところエピソードは上手に纏まって収束していくので,これも作者さんのスタイルなのかな?と.
でも,そうですよね.いい味のあるキャラがいきなり死んでも驚いちゃいけませんよね?だって,仮想19世紀末ですから.

そして,続く2話からはいきなり千年伯爵が登場という荒業を見せつけてくれます.ジャンプで読んだときには驚きました.10週行かずに打ち切りモードなのかと心配してしまったくらいです.しかし,わずか2話目から,次のエピソードへとひっぱる展開をしているのを見て,こうも思いました.
2話目が一発モノでないということは,ある程度のストーリーが完成していると読んでいいはずです.つまり,最初から打ち切るつもりで書いているか,すでに10週後の継投が決まっている期待作かのどちらかです.すごく危ない香りのする二択です.
そして,この時点ではまだ私は打ち切りに魂を賭けようとダービー兄の前で公言してしまいそうなくらいブラフにひっかかりそうな状態でした.

そして,いきなりの直接対決は伯爵の悪魔大量召喚をアレン君の対悪魔武器が一掃して決着がつきます.この展開はジャンプ打ち切りモードの王道に酷似していたために正直なところ夜も眠れない日々が続いたことを告白します.次の週で,アレン君がいきなり「戦いはまだ始まったばかりだ」とのたまって姿を消してしまうかもしれなかったからです.
だって,大量の悪魔を一瞬で倒してしまうんだったら,この物語はバトル漫画としては成り立ちません.最近は,人間ドラマを扱ったシティハンターみたいな「超人×人情」な作品が流行らないご時世なのですから.あとは千年伯爵を倒しておしまいじゃないか・・・という推測なわけです.

しかし,これも間違っていました.アレン君の戦う相手はもちろん悪魔創造者の千年伯爵なのですが,それがイコール悪魔と戦っていくだけの単調漫画という構図には至らないことが次からの展開で明らかになって行くのです.
アレン君は当初の目的どおり,エクソシストの本部へと到着して入団儀式を受けることとなります.いきなり魅力的なキャラがたくさん登場するのでビックリです.もちろん,いきなりたくさん出すぎたので打ち切りの線も疑いましたとも.第1話と同じく,千年伯爵が襲来して全滅ってパターンかとね.

しかし,教団本部で悪魔を倒すための物質『イノセンス』の存在が明らかとなり,アレン君の持つ対悪魔武器もイノセンスの1つなのだと判明します.ここで見えた!と思いました.悪魔と戦うという基本コンセプトに,イノセンスの回収という要素を付け加え,そこに教団の任務という要素が加われば立派な冒険漫画が完成するじゃありませんか.
素早い一手です.初期の設定の方向転換なのか,それとも作品構想時からの決定事項なのか,読者には判断できません.テコ入れなのだとしたら,担当さんと編集に賛辞を.構想なのだとしたら作者さんのスケールの大きさを感じさせられます.
でも,どちらにせよ構いません.テコ入れも構想も気にすべきことではないのですから.だって仮想19世紀末ですから.

しかし,あれですね.ものすごく驚きです.聖書にある7000年前(だっけか?)のノアの箱舟のエピソード・・・あれは,AKUMAによって地上を滅ぼそうとした千年伯爵によって引き起こされたものだったのだそうですよ.プロテスタントもエホバの証人もびっくりな新解釈です.
そういえば,第1話に出てきた神父さんがシスターと結婚するというエピソードもあったので,この世界の宗教観はどうやら現代と大きく異なるみたいです.う~ん,それとも宗派によってはシスターも神父も結婚できるのでしょうか??
でも,そんなことは仕方ないですよね?だって,仮想19世紀末なのですから.
というか,リナリーが可愛らしいので許す

そして,単行本は基本設定をすべて語り終わったものすごくキリのいい場面で終わっているわけですよ.私は思いました.
こいつ・・・すべて計算してやがる・・・と.
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by unep | 2004-11-08 22:02 | その他

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